雑記

大分ツアー・その2

また見てもらいます~。(この辺、西条凡児の口調で…。関西の方にはとてもなつかしい人でんね。)さて大分ツアーの事を先日ちょっと書かせて頂きました。その続きです。

大分県杵築市の美しい白砂の海岸のすぐそばに八幡奈多宮はあります。海から船で渡ってきた渡来人たちはおそらくここを眺めたときに、この美しい場所の中心であるところに社を建立しようと思ったのでしょうね、それはそれは抜群のロケーションでした。また海岸のところどころに黒光りするポイントがあり、近くでよく見てみると砂鉄が固まっているところでした。はるか昔、大陸からやってきた人々は製鉄と云う当時のハイテクを持ってネイティブの人々を圧倒したことでしょう、その製鉄に欠かせない原料が採取できる場所に聖なる社を建立すると云うのは自然な成り行きなのです。

中に入ってまずは参拝、そしてあらかじめアポイントを取ってくれていたので、宝物殿を拝見することが出来ました。ちょっとせまい空間に足を踏み入れるとそこには、まさに文字通り神々しい像が並んでいます。神は仏が姿を変えて現れたものと云う神仏垂迹思想を体現した美しい神像たち、垂迹美術を語る上で欠かすことの出来ない重要な像が間近に拝見出来ました。平安時代、貞観の頃の異国情緒が強いものから脱却した、穏やかでやさしい日本好みが現れた藤原時代のものが、こんなところに無造作に安置されているとは驚きです。

これらは宇佐神宮の旧御神体であったとのことで、華やかで美しい都出来のお顔であることも納得がいきます。昔は桜の木があって花見客でにぎわったこともあったようですが、今は枯れて無くなったとのことで、夏の海水浴客以外は静かな場所になっているようです。

宝物殿の横にはさりげなく鎌倉時代と思われる宝篋印塔があり、これも見事な造形、また屋内の拝殿の横の小さなスペースにはこの神社の裏にある古墳から出土した土器、須恵器などが展示されています。この一帯がすべて聖なる領域と認識されていたことがわかりますね。

華やかな神像を眺めた後は、夜の街の華やかな天女を眺めに行ったんじゃないかって?いや、あの、その、ご想像にお任せしますです、はい。

勉強会]2012年4月22日