雑記

花を活けるということ

すっかりと秋めいてきましたね・・、とご挨拶したいところですが、今日は30数年ぶりに10月の真夏日なんだそうで、いや~暑い!。今まで雨が多かったんで晴れたのはありがたいですがね。布団を干したり掃除をしたりと、出張を控えてしばしの骨休めといったところでしょうか。気温差があるのでこういう時は風邪をひきやすいもの、皆さんもくれぐれもご自愛を。

さて自分の商売柄、うつわに花を活けるというのは日常茶飯事、むしろ積極的にきれいな花を活けた画像などSNSでアップして皆さんに見てもらおうということですが、この花を活けるというのが特に大儀なことになってしまっているとちょっと残念なものですね。都会のマンションで暮らしておられる方はなかなか花を育てるというのも大変、かと云って花屋さんに出かけてもちょっと派手派手しい洋花ばかりで古陶磁に合うものもなかなか無いのが現状でしょう。

しかし暮らしの空間のなかで花があると本当に和むものであるのはよくお分かりになって頂けると思います。花を集めてくるのがもう大変なのは仕方ないことなんですが、それでも山野草を商っているお店を探すとか、週末などに何処か自然のたくさんあるところへ出かけたときに野花を摘んでくるとか、そんなシチュエーションがあれば調達してぜひとも気持ちのいい花を活けてみて頂きたいと思います。

古陶磁は花生けとして都合のいいものばかりではないので、時には何としても上手くいかないときもありますが、そんなことも含めて面白味と思いますし、もしピタッと決まった時などは本当にうれしくて、写真に収めるのもいいんじゃないでしょうか。

私のところは猫の額ほどではありますが、庭があって今は水引や杜鵑が咲いてくれています。画像はちょっと前のものですが、花の名前は知識不足でよくわかりません。しかしきれいなオレンジの花とシュッと気持ちよく伸びた葉がなかなかいい風情のものです。うつわは朝鮮の新羅時代の土器です。派手な釉薬の垂れなどはないのですが、滋味深い膚合いとでも云いましょうか、濡らすとしっとりとした美しい質感です。

むしろいいうつわを手に入れたときにグッと花を活けるモチベーションが高まるものなのかもしれません。そんなうつわこそ常々紹介したいなと思っております。
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店へのご案内]2016年10月4日

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