雑記

遅めの夏休みIN台湾

これを書いている10月13日、昨日まで夏日が続いていて秋は何処に行っちゃったんだろうという陽気でしたが、今日はうってかわって極端に寒い日。全国的にみても昨日との気温差が15度くらいあるところも多く、これでは風邪をひく人も多いだろうなと思わせる日でした。なんともしっとりとした秋の日が少しづつ移り変わる、という風情がまったくありませんね。皆さんもどうぞくれぐれもお気を付けください。

さてもう9月の話しなのでこうして書くのもちょっと気がひけるのですが、毎年9月初頭にある東京美術俱楽部の大きな交換会が終わると恒例の夏休みを取ります。いつも旅に出ていると旅行の欲が薄くなるものですが、今回は家内の要望もあり四泊五日のスケジュールで台湾まで行ってきました。

今まで国内は仕事がらみであちこち行ってきたのですが、海外は本当に久しぶり。なんと20年くらい前のハワイ以来です。今は当時の為替レートよりぐっと円高ですし、そもそも台湾などの渡航料金は思いっきり安くなってまして、沖縄や北海道にいくよりぐっと安く上がります。またLCCなんてお誂え向きのリーズナブル航空会社があって楽ですね~。成田空港も今ではアクセスが良くなって昔のような面倒がないのも嬉しいところです。台湾は故宮博物院を一度見ときたいなと常々思っていましたのでいい機会、ずっと前に期限が切れたパスポートを立川で取り直し、成田エクスプレスで空港へ。11時くらいの出発で約3時間の航行で台湾桃園国際空港へ到着しました。日本とは約1時間の時差ですので身体への負担もほとんどありません。

初日はそれほどあちこち廻る時間がありませんので、台北市内の繁華街のホテルにチェックイン。少し休憩してから夕食を取りに街中へ。東南アジアの楽しみどころのひとつは夜の屋台でしょうね。ご多聞に漏れずここ台湾も屋台街があります。
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コンビニでビールを買って屋台の食べ物と共に頂きます。ちなみにこれはビーフンの炒め物
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流石に中国四千年の歴史、たった50元の(おおよそ150円くらい)ビーフンはめっちゃ美味い!衛生状態とか、なんでも八角の香りがする、とか野暮は言いっこなし。腸詰や揚げたすり身などつまみながらガンガンビールがすすみます。

翌日は早起きして地下鉄で二駅ほど、ロンシャンスー、漢字で書けば龍山寺へ。極彩色の佇まいは日本の感覚とは全く違うものですね。
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しかしどこへ行くにも台湾の地下鉄は便利です。スイカ的なカードを買えば乗り降りも楽、そして単純でシンプルで改札も2か所くらいでわかりやすい。都市の規模が小さいので当たり前かもしれませんが、地方は別として台北にいろんなものが集中しているし、30分も乗れば郊外の住宅地、主にマンションですが通勤もしやすそう。
温かいし暮らすのにも良さそうと、旅行者の気楽さでそう思います。

さて次はいよいよ故宮へ、というところでいったん筆を置こうと思います。ではまた!

旅行]2017年10月13日

明けましておめでとうございます そして年明け早々の出張

皆さま明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。旧年中はたくさんの方々にお世話になりました。今年もまたお世話に、またご厄介をお掛けすると思いますが、よろしくお付き合いを重ねてお願い申し上げます。

さて今年は年明け早々に出張が入りまして3泊4日の工程で九州の地に渡ってまいりました。以前から親しくさせて頂いている福岡のご同業、共同会主ではありますが、初めてご自分の会を立ち上げられたとのことで、なかなか二の足を踏む遠い九州の地も思い切って顔を出しに行ってきました。彼とは関西の会でよく顔を合わせていて夜には一緒に呑みにいった仲です。努力を惜しまず一生懸命に頑張っていた彼のひとつの仕事の成果がこの自らの会の立ち上げだったと思います。先日第一回が始まったばかり、これからまたずっと続けていくことが大変だとは思いますふが、ぜひ頑張って運営していって頂きたいと思っております。

初会という事で各地から人とモノが集まってそれは熱気の溢れる商売の現場でした。朝から夜までひっきりなしに競りの威勢のいい声が絶えず、盛況であったこともよかったな~と思いますね。照る日曇る日いろいろでしょうけれど彼ならやり遂げていけるでしょう。

さて夜は言わずと知れた福岡の美味いものが待っているわけで、九州の業者さんたちと合流し(合流というよりは九州軍団の忘年会に混ぜて頂いたわけですが・・)たっぷりと御馳走になってしまいました。Nさん、Hさんどうもありがとうございました。またお昼をご一緒したSさんや二人でしっかりと愉しく呑んだAさん、ありがとうございました。皆さんのご厚意に甘えてたらふく飲み食いさせて頂きました。

会が終わればせっかくきた九州の地、めったに見られない美術館巡りということで九州国立博物館へ。
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現代の日本の玄関は成田空港や関空などかもしれませんが、古代においてはもちろんここ福岡の地が日本の玄関。そこで福岡沖、向うは朝鮮半島である沖ノ島からは素晴らしくレベルの高い考古遺品がざくざくと発掘されています。ということはここが古代の祭祀址で大和の朝廷もそこに深く関わっていたということがわかります。勾玉や鏡などそれらは一括で国宝指定されていて、その選抜された品々が並んでいます。

その後は小郡市にある九州歴史資料館へ。ここはちょっと不便なところにあるらしく、あまり観覧者は少なかったのですが、九州の弥生土器が壁面にズラッと並ぶさまはなかなか見事です。また平安時代の仏像などや発掘された経筒なども並んでいて少ないながらも見応えがあります。こちらは撮影NGで画像がありませんがご興味ある方はウェブで。

また春日市にある奴国の丘歴史資料館。こちらは漢の皇帝から遣わされた国宝の金印でおなじみの古代の国、奴国の中心とされた須玖岡本遺跡に建っております。須玖と聞いて弥生土器の形式をすぐ思い浮かべる方もおられるでしょう。北九州の弥生の精華、須玖式土器が出土したところでもあります。丹塗された赤い一群は東博でも見ることはできますが、こうして現地に赴き眺めるのはまた格別なものがあります。
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たっぷりと九州の弥生文化の華を堪能した旅でありました。

でもなんかひとつ忘れているかも・・そうだ!ラーメンですよ。当然のこと食してまいりました。写真は大橋駅の近くにある一九ラーメン。本店や他の支店もあるようですが、こちとらなんもわからんので地元密着スタイルのこちらで食してまいりました。シンプルな一杯、美味しく頂きました。御馳走様
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実は福岡は私の生まれ故郷でもあるわけで、何もかもが自分に合って美味い土地なわけです。しかし観光で行ってもとてつもなく愉しい所なのは間違いないので皆さんも機会がありましたらぜひどうぞ。

旅行]2017年1月11日

東北という土地

こんにちは、11月の末に東京でもまさかの初雪! 観測史上初めてのことらしくどこもかしこも大慌てで対応に苦慮していたのではないでしょうか。もっともテレビのニュースでは相変わらず降雪の場合は滑って坂を上がれないノーマルタイヤ(!)の車の様子とはしゃぐ子供たちの画像が流れていますが・・。

北国では11月の降雪など当たり前、すでに皆さんスタッドレスに履き替えているでしょう。東京の人はやはり雪道を軽んじてあんな雪の日にノーマルタイヤで出かけたりしますが、雪国の人は慣れたものですね。(もっともその慣れでがんがん飛ばして事故が起きたりもするのですが・・、北国の皆さんくれぐれも交通安全で)

さて先日は年に二回訪れる岩手の交換会の大会に行ってきました。昔は彼の地ではいろいろと東北の土俗的文物や民藝の愉しいものが出ていたのですが、さすがに昨今は出なくなりました。(このセリフ、聞き飽きたと思われるかもしれません、もう何年もこんなことを云っているような気がします。もっとも柳宗悦も昭和戦前、京都の蚤の市を覘いてなかなかものが出なくなったと云ってますから、モノを探している人のビョーキのような視点かもしれません)それでも皆、一生懸命に商いに頑張っていてその熱気は変わらないものです。

やはり今回もあまり買い物は少なかったのですが、ひとつ以前から好きだった獅子頭を買うことが出来ました。獅子頭と云えばご存知ない方のイメージはお正月のテレビ番組や寄席などで舞い踊る真っ赤なお獅子でしょうが、あのようなある種派手なものは近年の造形感覚でしょう。我々が扱う獅子頭は主に江戸や明治のころの、もっと素朴で土俗的なもの。そして地域共同体の小さなまつりのなかで大切にされてきた民間信仰の遺品としてのものたちです。
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彼の地では権現さまと呼ばれ、中央からやってきた本地垂迹思想と土俗の信仰がいろんなかたちでミックスされたものです。そこには実に豊かで個性的な造形感覚があります。東北という地域の過酷な自然環境のなか、逞しくそれに耐えていく力強さがその中に如実に反映されているわけですね。

こんなうれしい買いものがあるわけですから、東北巡りはやはり外すわけにはいかないところです。

そして東北の愉しみと云えば美味いもの、というわけで最後の夜は仙台泊まり。この時はまだまだ寒さも本格的という訳ではないので、銀杏の葉っぱが黄色く鮮やか。
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そして仙台の夜は必ずこの居酒屋、最初に訪れたのはもう20年以上も前になります。今年でたしか開店から70年ほどにはなるんでしょう。あえて店名は伏せときますがご存知の方は多いかと思います。今さら私がどうこう云うまでもなくしっかりと常連さんが付いている名店ですね。いい居酒屋の条件に酒がいい、肴がいい、雰囲気や佇まいがいい、などあると思いますが、もうひとつ重要なポイントは来ているお客さんがいいというのもあるかと思います。私は半年ごとに来るだけですがそのたびに来ている人たちの、穏やかな呑み方が醸すいいムードに、そして女将さんの仙台弁の和やかさに、あ~来てよかったと思わされます。
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たっぷりと呑んでゆっくりと常宿で爆睡した翌日は帰るだけ。当然自分ひとり旅先で美味いものばかり食っとると波風が立ちますんで、そこはお土産攻勢でしのぎます。
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今回は塩雲丹、ほやの塩辛、ほやジャーキーであります。

東北という土地は冬の寒さは厳しいながらそれに雄々しく立ち向かう武骨さと、山海の幸に恵まれた豊饒さ、それらが綯交ぜにになって魅了してくれる場所であります。皆さんも訪れてみては如何でしょうか。

旅行]2016年11月27日

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