唐突に何をいい出すのかと笑われそうですが、まったく唐突すぎて自分でも笑ってしまいます、この企画展名。おまえは骨董を商っていたのじゃないか、どうした家具屋でも始めたか、とおっしゃる方もいるかもしれません。でも毎日の商いをしていく傍ら、気になる絵をぽつぽつ買っていたら、日々のくらしのなかで特別な存在ではないかもしれないけれど、あるとうれしい、そんなちょっと気になるものが少しずつ集まっていました。
この企画展でご紹介する絵たちは、その作家の究極の表現ではありません。しかしそうではない、別の表現として作家自身が選んだ技法を用いた絵ばかりです。そのことが、じっとしかつめらしく正座して鑑賞するのではなく、生活のなかでものを書くように、眠るように、食事をするように自然に眺めると云う鑑賞態度を許容するものになっているのです。
好きな線、好きな色、好きなモチーフを探して、ご自分の生活のなかで愛すべき一枚が見つかれば、とてもうれしく思います。
店主 拝