♪窓に君の~影が~と唄ったのは今は亡き清志郎さんでしたが(RCサクセション アルバム シングルマンのなかに入ってます)、私はもっぱら朝に散歩といいますかウォーキングの真似事をしています。季節は梅雨とはいえ、合間の晴れた日はかなり暑くなりますね。まあ皆さんともかく熱中症にはお気を付けください。水だけでは足りないそうで、塩分やミネラルも補給した方がいいようですね。麦茶がいいようなので、この夏は昔ながらにお湯から煮出した麦茶をたっぷりと飲もうと思っとります。
私が住んでいるのは国分寺、そうその昔、ほとけの教えを更に浸透させるべく聖武天皇の詔によって各国に一つづつ、国分寺が(国分尼寺も作られたので二つづつというべきか)建立されたのは歴史の時間で習いましたね。当地は武蔵国分寺が建立された場所の名残でその地名が残っています。今も国分寺は存在するのですが、天平時代の伽藍は当然ありません。しかし金堂址などが調査で明らかになっており、今は公園のようなかたちで整備が進んでいるようです。
武蔵国分寺は出土する瓦の種類が多いことでよく知られているのですが何故なのか?、もちろん信仰が篤く、長い間伽藍が整備されたこともあるでしょうね。また実際に寺域を歩いてみればその広大な面積にちょっと驚かされます。そのむかし武蔵の国は大国(東京都と埼玉を含んでいるのですから国の大きさも図抜けて大きいわけですね)、その大国にふさわしくとにかくその寺の址は広大で、私の住んでいる家の下ももし発掘すれば何かが出土するかもしれません。それくらいまだ全容が完全に解明されたわけでもなさそうで、まだまだ新発見があるやもしれません。だから塀も伽藍もとにかく広く多く、当然それらを葺いていくには尋常じゃない量の瓦が必要だっただろうなと実際に歩いてみると納得できますよ。
その調査は行政に任せるしか手はないので、私たちは今日もその伽藍址を散歩して眺めるしかありません。でも気軽に歩ける散歩コースにそのような場所があることが、商売柄もあって何となく愉しい。皆さんも朝の散歩をしないかね~
[日常]2016年6月11日
関東も梅雨入りし、晴れてはいてもなんとなく湿度の高い状態のような気がしますね。この季節、意外と冷えて体調を崩したり、食中毒などの心配もありますから、どうぞお気を付けください。まだまだ身体が暑さになれてはいないでしょうから・・。
さて昨日はのんびりしておりまして、ふと鎌倉にと思い立ち電車に揺られて行ってきました。以前から観たかった展覧会があり、この機会に覗いてみようと思ったからです。それは世に縁切り寺として名高い北鎌倉の名刹、松岡山東慶寺の松岡宝蔵で行われていました。紫陽花寺と俗に呼ばれる明月院に伝来する椀、織田有楽斎が作らせて寄進したと云われる桜の花びらを螺鈿の技法で散らしたその名も明月椀、そして広尾の古美術商、小西大閑堂さんの所有されている漆絵の名品が同時に観られるという展覧会です。展覧会のサブタイトルに漆絵、美の饗宴と謳うようにそれは見事な漆絵の名品が並んでいました。
まず明月椀は大小、深いの、浅いの、大量にごそっと並べられていました。膳も含めて饗応するセットを百組作って寄進したとの伝承もむべなるかな、ヴォリュームたっぷり、華やかな椀たちが行列しています。
そして小西さんご所蔵の漆絵は浄法寺で作られたと思われる骨太な秀衡椀を初め、蕪文様の合鹿?碗、根来の瓶子、様々な文様の漆絵盆と、規模は決して大きくはない展覧会ですが、質とそのチョイスは漆絵好きにとって涎が出るような内容でした。思えば漆絵の展覧会などなかなか他ではありませんし、観る機会も本当に少ないですからね・・。しばし眼福の時間が過ぎていきました。撮影は不可なのでもらったパンフを簡単に紹介しますが、ここにも丁寧に品物が載っていて、うれしいところでしょう。
漆絵の世界は陶磁器に比較して地味な印象もあるのですが、もっともっとファンが増えて欲しいジャンル、及ばずながら入門編を紹介したり、愉しい漆絵を頑張って探したりと四苦八苦しながら取り組んでいるジャンルです。一人でも多くの方にもっと知って頂きたいなと思う日々であります。
東慶寺は庭も素晴らしく、のんびりと散策を愉しんでおられる方もいらっしゃいましたが、私といえば大好きな漆の世界を堪能した後なもんだから、庭はそのときはさらっと流して山門を後にしたのでした。
ちなみにこの展覧会は2016年7月3日(日)までです。ご興味のある方はぜひとも早めにどうぞ。祝日はとにかく観光客が多いので、できたら平日がお勧めです。それでも結構な人が歩いているのはさすがに古都、鎌倉ではあります。
[展覧会]2016年6月10日