やっと夏らしい夏がやってきたかんじですが、みなさま如何お過ごしでしょうか。
昨日、久々にわたしたち夫婦と友人カップルの計4人 で、沼袋にあります「焼肉 平和苑」に行ってまいりました。一見、あんまりきれいとは言い難いごちゃごちゃしたお店という第一印象、まあわたくしの妻が過去に食べたことがあったので入りましたが、「こりゃ大丈夫かいな~」と最初は思いましたよ。壁に短冊状のメニューが貼ってあり、よく見ると三角かるびやら四角やら丸やらと何だかわからんものが書いてある。なんかわからんうちにオーダーが、経験者である妻より出され、まずは生ビールでのどの乾燥地帯を軽く湿してから、肉を焼き始めたんですわ。そしたら普段よりなお一層せっかちになった妻が、軽く炙っただけでとっとと喰えと言う、もうちょっとカリっとするまで焼いたっていいんじゃないの~というわたしの言葉もむなしく、取り皿に載せてきました。半信半疑で頬張ると「あぁ~脂があまい~」。フレッシュな肉を半生、というよりほとんど生の刺身状態で食べさせる店でした。すんごくうまい!を連発しながら、次はわさびカルビをいってみました。おろし皿のうえの本わさびを自分ですりおろして、また網の上に数秒置いただけの肉にのせて口に運ぶ、あーしわわせやーんてなかんじで本当にうまい肉でした。また焼肉店なのにうまい日本酒もおいてあり一杯、味見をさせてもらったのも選びに選んだなーという酒でした。
そうこうするうち店のおやじ登場、「うちはうまいものしか食わせないよ~」とのコメントもさもありなん、あげく静岡の銘酒、磯自慢の特別限定品を「こんなのなかなか呑めないよ」といいながら、見せてくれたんでこりゃ呑ませてくれんのかなぁーっと期待したら自慢しただけで終わりでした。わたしのなかの吉本新喜劇が「そんなあほなぁ~」とおもいっきりこけました。
そして最後のしめはTKG、たまごかけごはんであります。それはあんまり好きじゃないと云ってた友人も「うめぇうめぇ」とかっこんで喰っとりました。
そんなことで満足して店を後にしましたが、店のおやじのキャラがいちばんごちそうかなと思いました。わたしの商売も、まず美しいものありきなんですが、自分が一番の商品でもあるということに思い至ったのであります。ジャンルは違えど、あのおやじのような商売をしていきたいと感服したわたしでありました。
なんたって看板の文字が「飢る噛む!」だもんな~、送り仮名まちがってるけど…。
[食、酒/外食]2009年8月13日
またまたお目にかかります。
本日、8月第二日曜日は東西線、門前仲町にあります富岡八幡宮の骨董市に出店しておりました。早朝4時半 ころに現場へ到着し、店をひろげてから、あーでもない、こーでもないと商品レイアウトを悩みながら展示、結局、写真のような、なんかよーまとまらん構成に なってしまいました。
8月は暑くてなかなかお客さんが出てきてくれないんですが、熱心な顧客は相変わらず雪が降ろうが、カンカン照りだろうが足をはこんでくれます。
近頃、思うのは、若いお客さんや興味はあるけどあまりよくわからないといった人から「この品物はどこの生まれでどういったたぐいの品物なのか」という質問が聞かれないなぁーということです。昔は(あまり昔話
をしても意味がないことかも知れませんが、)もっと知りたい、なんなのか理解したいという話がもっともっと出てきたような気がします。わたしたち業者サイドが、初めての人にはわからない骨董用語を使って一方的にまくしたてているから、どう質問してよいやらわからんのかとも思います。買いたいものが明確な人、マニア、コレクターと呼ばれる人たちに売るのは、その好みの品が有りさえすればある種簡単なのかもしれません。しかし何にも知らなかった人にこの素晴らしさを伝えられて、購入に至るという仕事こそ古美術商の大切な仕事、売れるものだけ右から左のブローカー仕事ではなく、口はばったいようですが啓蒙活動をしていかなくては、我々の未来は無いんじゃないかとつくづく思っています。
偉そうなことを書きましたが要するに、興味をもったら話しかけてほしい、いきなり売買だけじゃなくその世界の素晴らしさをもっともっとお客さんと共有したいということなんですよ。わたしも忙しいとつい答えが骨董用語になってつっけんどんな感じで応対してしまうことが正直言ってよくあります。だからこれは一番最初に自分が反省しなきゃならんことでした。
そんなこんなで2時ころに撤収してきましたが本当に骨董市ってくたびれます。でもこういう日の冷えたビールってうぅ~まいんだなぁぁこれが!
[イベント]2009年8月9日
お暑うございます。しっかり水分とミネラルをとって熱中症なんぞにならんようご注意ください。
さてわたくしは先日、上州は高崎、県立公園、群馬の森の中にあります県立歴史博物館で開催中の「武人ハニワ、群馬へ帰る!」展を観に行ってきました。広々とした気持ちいい~緑のなかに近代的な建物がありました。
今回の目玉は東京国立博物館蔵の「国宝・挂甲武人埴輪(けいこうぶじんはにわ)」。ルックスは要するに、昔の映画の「大魔神」、腕を顔の前で交差させると 柔和な表情が一変して怖~い顔になるアレです。兜と鎧をまとったこの埴輪が、出土地である群馬に戻って展示されていたわけですが、個人的にもっといいもの が観られたな~と思ったのは、大阪・高槻市の継体天皇の墓とされる、今城塚古墳の埴輪たちです。まず驚いたのはその埴輪のサイズ、とにかくデッカいんです よ、これが。家の形をかたどった埴輪があるんですが、普通に見られるサイズは、家電に例えれば大型電子レンジくらい。しかし今回展示されていたものは、なんとファミリー向け3ドア冷蔵庫くらい!大きいです!さすが天皇の墓にまつられた埴輪たちだなぁ~と感心させられました。
また変わっていて面白いと思ったのは、大阪・藤井寺市、狼塚古墳出土の導水施設形埴輪。命をはぐくむ水のまつりの為、川から水を引き汚泥を沈殿させ、清浄な水を取り出 す施設は遺跡としての出土例はそれなりにあるものなんですが、埴輪として出土する例はきわめてまれなよう。わたくし自身もこの目で見るのは初めてで、思わず細部までなめるように観てしまいました。
もちろん地元・群馬を含む関東東北の埴輪たちも多数出品。動物、人物、その他もろもろ、普段なかなか一度には見られない点数が出品されていました。
また展示の仕方でおもしろかったのは考古的な視点だけでなく美術としての造形の素晴らしさをアピールするためか、あえて隣の近代美術館のスペースに逸品埴 輪を集めて展示したことです。純粋にスカルプチャー(彫刻)として観たとしてもその造形は圧倒的です。語彙が乏しくて伝わりづらいかもしれませんが、とにかく観に行っていただきたい展覧会でした。
そしてレベルはまったく違うかもしれませんが同じ埴輪という素晴らしいものを商っている(ごくたま~にですが)自分にほんの少しだけ誇らしい気持ちになりました。
そんじゃこのへんで失礼いたします。
[展覧会]2009年8月8日