雑記

あけましておめでとうございます。そして骨董ジャンボリーに出店します

平成30年、あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。寒の入りを迎えて厳しい寒さが続きますが、どうぞくれぐれもお身体ご自愛ください。

さて世間の皆さまと同じく、私たち骨董屋稼業もほぼほぼ冬休み状態、私の場合は実家へ帰りつきたての餅をもらって帰ってきて、それらを貪りながらのんびりダラダラとした寝正月を過ごしております。実家と云っても車で小一時間ほどの距離、家内の実家も関東ですからあまり帰省の苦労もなくスムーズに行って帰って来られます。帰省Uターンラッシュなどにハマった方はお気の毒さまでした。なんと云っても数十キロの渋滞に巻き込まれてしまうとクタクタになりますからねぇ。お子さんを連れて帰るご両親のご苦労、ホント頭が下がります。

さて年明けの最初の仕事はこまごまとしたものを除けばやはり催事出店になるでしょうか。今年も1月12日~14日、有明ビッグサイトの骨董ジャンボリーに出店致します。すでにおなじみの方も多いとは思いますが、最近知ったとおっしゃる方もおられますのでぜひ詳細はこちらのページでご覧頂ければと思います。→http://kottoh-jamboree.com/

寒さが厳しい季節で、駅からも風が吹いていることが多いちょっと寒い場所ですが屋内催事ですので、一度中に入ってしまえば温かくゆっくりとご覧頂けると思います。どうぞお誘いあわせの上お越し下さればと思います。

「一年の計は元旦にあり」と云いますが私の一年の目標はここのところずっと同じ。つまりは健康で一生懸命商売に励む、そのことが出来たなら何事も後からついてくるということだけ。無理せずサボらずこつこつとまた一年頑張っていこうと思います。

このホームページも、もっともっと多くの方がご来場頂けるようなものにしていきたいと思っております。それには愉しきお品をご紹介し続けるのが一番でしょうね。ということはまた今年も東奔西走、右往左往、七転八倒、無我夢中、であちこちに出没して光るものを探す一年ということですね。

頑張ります!

ごあいさつ]2018年1月5日

鉄工島フェス

今からさること約ひと月前、「鉄工島フェス」という催し物がございました。2017年9月30日~10月1日の2日間、京浜島という人工島にある須田鉄工所を中心にその周辺に、映画や音楽、アートでこの地域を活性化して、生まれ変わらせるためのプロジェクトの一環としてのフェスであったようです。
そもそも自分がこのフェスに赴いたきっかけは、ある方のドローイング作品の完成除幕式を兼ねていたからなのでした。
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数か月前のこと、仕事の合間に何気なくパソコンの前でTwitterだったかな?を見ていた時、その名前が目に飛び込んできました。・・根本敬・・その人を知ったのは自分がまだ19~20才のころ、当時月刊誌であった「ビックリハウス」の中に掲載されていた漫画が最初でした。漫画は「村田の傘地蔵」だったかな。ご存知無い方には説明がないとなんのこっちゃな話しではありますが、昔話の傘地蔵、その物語を特殊に解釈、恩返しの裏側の舞台を描いていてなんとも爽快であった想いがありました。そう氏は特殊漫画家であったのです。漫画家ではなく特殊漫画家・・この肩書は後々に知ったのですが、乙に澄ましたような大人の偽善的な営みを暴く、傍若無人な子供のようなアウトロー、そんな人でありました。

ひねくれたり、斜に構えてうがったものの見方をしていた(今でもそんなもんですが・・)自分の、そんな思いを代弁してくれたような、シンパシーを根本さんに感じたのでありました。

それから折に触れ、氏の著作を買い、むさぼるように読んだものでした。漫画という表現に収まらない、哲学者のフィールドワークのようなルポルタージュ、学生時代に遭遇したこれまた特殊なまぬけな修羅の群れたち、興味を持って近づいた人たちの懐に入りその深層を探査していくウィリアムバロウズ的探究心。いい顔のおやじたちを探し、過剰にごり押ししてくるレコードと云う名のお節介を世に紹介する幻の名盤解放同盟、その他書ききれないほどの世の間抜けたちの(この間抜けというキーワードを単なる悪口と取っては誤読です。)素顔を暴いていった仕事ぶり、いや仕事ではなく神の悪ふざけに従って運命の波を泳ぐ行為は、くっきりと強烈な印象を私に残してくれました。ヨガの行者は、そんなことが到底出来ない庶民に代わり激烈な修行によって得た神秘体験を平易な言葉で人々に説く、そんなイメージを持ったものでした。

その根本さん云うところ「個人の意思を超えた大きな力に突き動かされて」ピカソの大作ゲルニカと同サイズのドローイングを完成させるという計画が持ち上がったそうなのです。ケント紙に漫画を描く行為は数えきれないほどしてきたことでしょうが、タブローを仕上げる、しかもどえらい大作を描く、これはまったく畑違いで大変なことであったようです。そこでテクニカルアドバイザーとして美術家、会田誠氏が参加、そして鉄工島をアーティストの製作場所としてクリエイティブに生まれ変わらせる目的で立ち上げられたBUCKLE KÔBÔプロジェクトの工房にて製作することになったとのことでした。この辺の詳細は美術手帖誌上でニコ・ニコルソン氏連載の漫画として読むことができると思います。

製作資金の調達方法として今いろんなジャンルでも大いに活用されているクラウドファンディングにて、またSNSでも大いに宣伝をしていったようですが、氏の特殊ぶりは今に始まったことではなく、なかなかに苦戦をされたように聞き及びましたが、自分も大したことは出来ないながら、そこにほんの少額を寄付させて頂きました。ファンとして、また期待するアーティストの応援として初めてこんなことをしてみた自分に少々驚きながら。

はたしてその作品のお披露目、自分は急用で午前中の除幕式には行けなかったものの、午後の作品の前で繰り広げられるライブコンサートを覘くことが何とかできました。作品鑑賞の場としては少々難しいところ、でもお祭り騒ぎ的な盛り上がりはとても愉しく見ることが出来ました。作品は今まで漫画で見てきたキャラクターがあちこちに踊り、力強い筆致で極彩色の線が走り、あぁ~完成したのだなと安心しました。今まで知らなかったけれど好きなタイプのバンドも出演し満足して会場を後にしました。ちなみにあちこちで現代美術の展示や映像作品の上映、音楽を茶を融合したパフォーマンスなど、あちこちで派手に盛り上がっていたようでした。
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さて会場を後にしようとしたところ、一角で根本さんの、レコードジャケットを下敷きにしたドローイング作品を集めた本「ブラックアンドブルー」の本が販売されておりました。しかもサイン本ですって!(この辺多分にミーハー根性丸出し)、これをここで買う事も小さな寄付になるかな、なんて思いをあり一冊買い求めたところ、スタッフの人が根本さんの名を呼ぶではありませんか。サインしてある本を売ってるのかと思ったら、その場でサインしてくれるとのことで、すんなり憧れの人が目の前にやってきたのでした。

「せっかくだから一緒に写真もどーですか~!」なんて自分では恥ずかしくてなかなか言えない一言を代わりに言ってくれたお姉さん、ありがとう!臆面もなくいっしょに写った私のニヤケ顔。「あぁ~あなたの本を昔から好きで読んでいたのですよ。タケオの世界も怪人無礼講ララバイも生きるシリーズも!下世話的フィールドワークであるディープコリアも因果鉄道の旅も!」なんて心の中で想いながら・・。
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云い忘れてましたがこの作品、タイトルは樹海と云います。そしてゆっくり鑑賞できる場として市ヶ谷の現代美術の画廊であるミズマアートギャラリーで12月13日~から観ることが出来るそうです。詳細はこちらへ→http://mizuma-art.co.jp/exhibition/index.html

展覧会]2017年11月6日

夏の終わりにちょっと寄り道

こころところ不順な天候に閉口していた子供たちもようやく暑さが戻って、残り少ない夏休みをプールや海で惜しむように楽しんでいると思います。夏は夏らしく暑くなってくれないとなかなか商売は難しくなりますね。我々の商売はいつ何が出るかわからないので、あまり季節は関係ないのですが、それでも何となく8月と云うのは停滞気味ではあります。お客様がお休みモードでいろんなところにお出かけになったりしますのでね。

さてわりかし暇を持て余し気味のところ、今日も何かないかとうろつきまわっておりましたが、ふと思いついて乃木坂へ。国立新美術館まで行ってきました。展覧会タイトルにもあるように20世紀を代表する彫刻家の一人「ジャコメッティ」展を観に行くためでした。

千代田線の乃木坂駅、そこから直結するアクセスの良さ、これはとてもありがたいところ、雨で出かけるのがおっくうでも、駅に着けば濡れずに美術館へ直行できます。チケットを購入し中へ。

開館10周年記念と銘打つだけあって力のこもった展覧会と思いました。初期のキュビズムや構成主義のような彫刻、この頃は流行に乗っかっている感があって、あまり独自のスタイルは感じられませんが・・、そこからミニチュア作品、油彩、素描、エッチングやリトグラフなどの版画など、かなり幅広く前時代を網羅した展示になっています。彼の版画制作に強い影響を与えたと云われるマーグ画廊の経営者のマーグ夫妻。もともと摺師でパリで人気を博した美術誌、デリエールミロワールを作っていた画廊ですから、大いに版画の魅力を作家に吹き込んだであろうことは想像に難くありません。
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画像はチェースマンハッタン銀行の依頼で製作された作品の内のひとつ。この部屋のみ撮影が許可されていて、多くの人がカメラに収めていましたね。

私は評論家ではないのでジャコメッティ作品について批評は出来ないしするつもりもないのですが、目の前の対象を凝視していくとこんな風になってしまうのでしょうか。余計なものを剥ぎ取った結果産み出されたフォルムなのでしょう。そしてこんなに抽象化された細い人間たちも細部を観察すると、ちゃんと人間の自然な骨格、筋肉、造形を外していないのが彫刻家の修練のたまものなのかもしれません。

せっかく美術館に行ったのならついでに(ついでと云うと失礼ですが・・)観たかった日本民藝館の展覧会「色絵の器」展にも足を伸ばします。
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こちらは前から馴染みのある日本や中国の器のなかで、民藝館テイストの素朴で愛らしい色絵たちがズラッと並んでいます。扱ってきた種類のうつわたちも数多く並んでいるので、新鮮な驚きは失礼ながら無いんですが、好きなものがいっぱいあるからホッとするという感想が正直なところですかね。でもこうしてたまには自分の道程を確認する作業も必要なのかなとも思っているので、どちらかと云えば民藝館に観に行くことの方が重要なのかもしれません。

いずれにしても常にいいものを観る作業は私たちの仕事に於いて必要不可欠なものなので、暇なようでやっぱり重要な仕事なんですね。

展覧会]2017年8月26日

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