雑記

夏恒例の研修旅行・唐津、福岡編

 前回の続き、夏の恒例の研修旅行の続きであります。

 二日目、かねてから拝観の予約をしていました福岡県糸島市にあります浮嶽神社へ向かいます。霊峰浮嶽にふもとにある神社で奈良時代の創建とのこと、歴史ある神社ですね。ここでは平安時代の仏像が残されているということで愉しみにしておりました。詳細な地理は土地勘がないのでわかりませんが、今はレンタカーに付いているナビが連れて行ってくれますので、程なくして現地へ到着。宝物館のカギを開けて頂き、わずかながらお賽銭を上げ一礼してから拝見します。平安時代でも前期のボリューム感のある仏像が3体、目の前に飛び込んできます。いわゆる貞観彫刻と呼ばれる唐物的なニュアンスが残る迫力のある仏像、如来、地蔵、そして詳細は分からない倚像が並んでいます。そしてその隣には平安後期、定朝様式の阿弥陀さまが四天王に護られてお座りになっています。こちらの虫食いで荒れた状態ながら四天王と阿弥陀さまも素晴らしいものですが、隣の3体が凄すぎてかすんでしまうほどのものでした。さすがに国の重要文化財になっているだけあって見事なものでした。
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 さて次は佐賀に戻って九州陶磁文化館へ、我われにも普段扱うことが多い陶磁、特に伊万里磁器が数多く展示されています。あまりにも有名な柴田夫妻コレクションも特別に別室が設けられてゆっくりと観ることが出来ます。
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 さていろいろとお勉強していると脳が栄養を求めるのは道理でありますね、その夜は唐津駅そばのビジネスホテルへ、ホテルそばの居酒屋へ栄養を摂取しにまいります。佐賀の呼子にも行きたかったのですが時間的に難しいのであきらめておりましたが、入った居酒屋の生簀に元気よく烏賊が泳いでいたんで早速活き作りにしてもらって頂きました。コリコリ、ポキポキと新鮮な烏賊の触感が何とも云えませんね、当然その夜も当たり前のように鯨飲したわけです。そして明日は最終日、福岡の市街地へ向かいます。
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旅行]2014年9月29日

夏恒例の研修旅行・長崎編

 昼間はまだ半袖で十分な日もありますが、さすがに夜ともなると涼しくなって秋だなぁ~と思わせる気候になってきましたね。愉しく一杯やってますか?、ご同輩。私は相変わらずのペースで過ごしております。さて夏は同業の仲間と恒例になっている研修旅行に行ってまいりました。今年は少し9月にずれ込んで8日から11日まで、九州は長崎、佐賀、福岡に行ってまいりました。

 まずは羽田から長崎空港へ、そしてレンタカーを利用して一路市内へ。どえらくベタな展開ですが昼食はちゃんぽん、我われのご同業、長崎出身で福岡で商売をされているYさんの幼馴染のお店だそうで、それはそれは美味しく頂きました。近くには有名な眼鏡橋、それらを見ながらこんどは長崎郷土博物館へ行きます。

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 郷土の陶磁である平戸や現川など、あるいは江戸ガラスに長崎螺鈿などなど、素晴らしい技術を駆使した工芸品を眺めます。これらはもっとも我々の商売に直結するものたち、寄贈された個人コレクションも素晴らしいものでした。

 そして今回の旅行の目玉、長崎と云えばキリシタン関連の資料や史跡、そして教会の数々、館内の具体的な資料は撮影禁止なので外観だけですが、それは貴重なものが数多く観ることができました。この国の受難の歴史、不寛容な為政者が当時のキリシタン達を残虐なやり方で苦しめたことは今考えても胸が痛む出来事でした。
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 さて今度は市内を離れて大村地区へ、こちらには江戸時代の弾圧から明治になり、禁教令を解かれたのちに信者たちが作り上げた教会がいくつも残っています。宣教師の来日し、その指導によって貧しかった信者たちが少しでも豊かになるよう産業を興し、その工房が残っています。

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 夜はお決まりの美味い魚を求めて居酒屋へ、いつものように一升瓶をオーダーしてたっぷりと呑んだのは云うまでもありません。
まだまだ続く。

旅行]2014年9月25日

座辺の李朝

 まだ昼間は暑かったりしていますが、さすがに夜になるとめっきりと涼しくなりましたね、蝉の声の代わりに秋の虫の鳴き声が聞こえてきて秋がやってきたなぁ~と実感します。美味いものがたくさん出てくる季節、この間は初さんまを敢行しましたが、まだまだ愉しみはいっぱいありますねぇ、落ち鱧と松茸の土瓶蒸しなんて名残と走りが出会っていいもんです。他にも戻り鰹や秋茄子、茸のたぐい、あ~キリがない、お酒の量もいや増すというもんです。

 さて食い意地の張ってる話はさておき、このタイトルご存知の方は多いでしょう、中川竹治氏の私家限定版の著作「座辺の李朝」を最近買うことが出来ました。昭和46年に700部限定で出版されたこの本、古本屋さんでもめったに手に入ることがない希少本です。戦前からの李朝コレクターである氏の収集した朝鮮陶磁の逸品が載せられています。

 染付や鉄砂の愉しいものが数多く掲載されていますが、とりわけ多いのは様々な器形の白磁類です。氏は述べています、サラリーマンである自分には美術品として声価の高いものは望むべくもない、したがって魅力のある疵物や当時比較的リーズナブルであった白磁に絞って収集したと、たしかに疵があっても今では手に入れることはほぼ不可能な秋草手や、面取、祭器、筥、碗や徳利などこれらも素晴らしいものがコレクションされています。

 時代が良かったとか、値が安かったからとかという意見もありましょうが、これらのコレクションに必要だったものは何よりも李朝と云う時代に生まれた陶磁器に寄せる限りないシンパシーと、手に入れて飾ると云うよりも座辺でとことん撫でさすって愛する情熱だったと思います。

 私も朝鮮陶磁が大好きで商っているわけですが、ややもすると日常の仕事の一環に堕してしまう感覚があります。しかし以前から欲しいと思いながら手許にないこの本がやってきて、そして夢中になって読んだのちに甦ってきたのは情熱を持ってものに接すると云う感覚でした。ただ好きなのではない、好きで好きでたまらない、愛して愛して愛しぬくと云うコレクターのような熱気を帯びた気持ちでお客様にもお勧めしなくては・・。そうでなければ情熱に共感なぞしてもらえるはずも無いと。

 想いを新たに情熱を持って取り組んでいきたい、そう思わせてくれる本を手に入れられた、少々高い本ではありますがその価値は十分にあるいい本です。皆さんも如何とお勧め出来ないのが(とにかく世の中に売り物として出てくることが少ないので)難ではありますが・・。b1

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日常]2014年9月7日