雑記

特別展「台北 國立故宮博物院ー神品至宝ー」、観てきました

 毎日お暑うございます。こんな時は無理をせずのんびりと構えることが肝要であろうと、毎日のんびりしております。サボっているとも云えますが、まあいいんでしょう、夏ですからね・・。

 さて先日は東博に件の展覧会を観に行ってきました。昨今の中国美術ブームはある種の危うさを孕みつつ、でも大きなうねりで私たち日本の業界にも多大な影響を与え続けています。そんなにわかブームのはるか昔から一級品のものは世界中でコレクションされていたわけですから、騒ぎ立てるほどのことではない、とのご意見もありましょうが、そのブームを無視しては業界が成り立たないんではないかと思われるほどの勢いがあるのは事実です。

 そんな生々しい経済的なことはさておいて、今まであまり馴染みのなかった分野のトップクラスを観るのは何にせよ勉強になるもの、招待券を頂いたのいい機会に観に行ったわけです。さてさて確かに陶磁、漆工、金工、玉類、書、絵画など様々なものが、それもすごいレベルのものが観られましたねぇ~。

 永い永い歴史のなかで日本には実に多くの中国美術が請来されてきているわけですが、それでもまだこんなに本国には残っているわけですね。皆さんこの展覧会のお目当ては、例の翡翠の白菜のようで、そのお品の展示期間は入場制限があったほどの盛況だったようですね。私が観に行ったときはそれも終わって、ややのんびりしているようでした。と云っても平日の昼間にあれだけの人の数ですから大したもんです。

 こうして観に行ってきてしみじみ想うのはつまり、いいものは例え知らないジャンルでも良さを訴えてくる力がある!ってことですね。心情的になかなかシンパシーを持つことの少ないこの美術ですが、そんな小さな考えなど吹き飛ばすほど一級品は力を持っています。自分の商売でも同じことが云えるのかもしれません。知らない人にも知ってもらうには、力のある品を美しく見せる、これに尽きるのではないかと思います。もっともっと多くの方にその良さを伝えていかなければならない使命を帯びている一員としては改めて考えさせられた、そんな展覧会でした。

展覧会]2014年8月6日