雑記

秋の味覚

10月にしてはやたら暑い日などもありましたが、ようやく季節相当と思われるヒンヤリした空気になってきましたね。ここのところ本当に秋の期間が短いように思われますので、もっとこの季節を堪能したいところ、となればやはり味覚の秋でしょうか。

先日が東北方面に出張してきました。年に3回ほどは秋田で行われる交換会に顔を出します。商売になったり、ならなかったりいろいろとありますが、終われば現地の友人と一杯やるのが愉しみでもあります。この季節は新米で頂くきりたんぽ、海のものは何を食べても美味いのですが、秋田らしいと云えばしょっつるの鍋でしょうかね。やはり相変わらず美味いのであります。

さて会が終わってしこたま呑んでぐったりともう一泊した後は帰るだけなんですが、ここはやはりお土産を買って帰らなけりゃ家内の機嫌が悪くなるわけで、いつも寄る秋田駅前の秋田市民市場に向かうのですね。ここは魚屋さんが美味そうな生ものをズラッと並べてその雰囲気だけでもそそる場所です。他にも野菜、果物、塩蔵もの、乾物といろんなものが買える便利なところ、夏にはその場で岩牡蠣をさばいてもらって食べることもできます。今回はたまたま日曜日だったので、ほぼ生ものの魚屋さんはおやすみのところが多かったですね。

さて秋田と云えば山も豊かなわけで、その恵みの秋の味覚と云えばきのこ類でしょうか。食べなれないきのこですが初茸というのを買ってみました。
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形は特に変わってはいないけれど、あちこちにこの素人目には毒々しい緑青色が・・

これはこういうものであるわけですからまあ納得ですが、山で見つけたら素人は絶対に毒、あるいはカビが生えてる!と思うでしょうね。売っているおじさんにレシピを聞いて鍋にいれようと買い求めました。

そして普段はパック詰めの栽培品しか見ないこれ、舞茸ですよ。天然のものごっつでかいやつが並んでいましたので、これもいっしょに鍋に入れようと注文です。
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そしてささがきごぼうと鶏肉を入れてこんな感じに。
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そして究極の秋の味覚はやはりこれ、新米ですね。土鍋で炊く新米は涙がでるほど美味く、日本人のDNAに刷り込まれた究極の一品、最後の晩餐に何が食べたいかと云えば、この炊き立ての新米と美味い味噌汁なんじゃないでしょうか。私の場合はまだまだ俗物ですので、お供に秋田で買ったなぜかデンマーク産の筋子が後ろにいますが・・。

しかしこの秋の味覚、飯を食い過ぎるのが唯一の欠点かな。糖質オフもしばらくこの季節はお休みというところですね。皆さんも食べ過ぎにはご注意を、と自分に言い聞かせるように云っております。
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旅行]2016年10月10日

春の研修旅行報告・その2

その1を書いてからまたまた時間が空いちゃいましたが、岡山のお仕事と研修旅行の続きです。

岡山のいろいろな方々のお骨折りを頂いて、今回瀬戸大橋のたもとのとても眺めのいいホテルで交換会を行うことができました。重ねて皆さん本当にお世話になりました。窓からの眺望はこんな感じ。
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その夜はたっぷりと地元の美味しいものとお酒を頂いたのはいつものごとく云うまでもありませんな。

さて研修旅行は3日目、今日は実際の旧跡を巡っていきます。まず最初に安養寺。経塚が発見されたことで有名になりましたね。瓦経や鏡など出土品が宝物館に安置されていますので早速見学です。見事な平安仏が並んでいてなんとも圧巻の光景であります。しかも数十体の仏像のほとんどが毘沙門天。単独でも信仰されることの多いほとけさまですが、これほど一か所にもの凄い量がかたまって安置されているのもまたすごいもんでした。想像するに一山にかなりの数の塔頭が存在していたのが、いつのまにか護る人が限られてきてなくなってしまい、こんな風に一か所に本尊が集められたようですね。他に白鳳時代と思われる誕生仏なども素晴らしかったのですが、残念ながら撮影は出来ませんのでここに写真でご紹介はかないません。ぜひとも足を運んでみて確かめて頂ければと思えるいいお寺でした。

そして奈良時代、詔によって各地に建立された国分寺、ここ岡山では備中国分寺ということですが、現在もお寺さんは連綿と続いており立派な塔がありました。7

さて今度は倉敷の街中へ。昭和40年代ころのディスカバージャパンという旧国鉄のキャンペーンがあったと思いますが、その象徴のような街だったように記憶しています。いわば民芸がそのまま現代に息づいている街、平成の今もこんな風にきれいな街並みが保存されていて観光客も多いようですね。
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大原美術館なども眺めつつ、やはり我々の商売に一番近い存在、倉敷民藝館におじゃまします。
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馴染みのあるい朝鮮の品々
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そんなこんなで満喫した後、他のみんなは東京へと帰路につきます。

私は家内と一緒に岡山へもう一泊。(これは仕事にかこつけての家内への福利厚生みたいな側面もありますな)、やはりその夜は美味しい旅寿司を堪能しつつぐったりと就寝。

あくる日は最終日。レンタカーで対岸の四国高松へ、写真はうっかり撮り忘れたのですが(撮り忘れたと云うよりはその暇がなかった、なにしろ人気店だからさっさと食べないと後ろの人ににらまれそう・・)讃岐うどんとてんぷらをたっぷりと頂きました。関東でもなんとか知られるようになった、いわゆるセルフ湯がきシステム。特にまごつくことなく美味い出汁まで飲み干して店を後にします。

さて讃岐に行ったら金毘羅さんに参らないわけにはいかんでしょうね。海上交通、商売の神さまですから。しかしこの階段がシャレにならんくらい長い!長い!日ごろ運動不足の老体にはこたえるー。
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ようやく登るといい景色と立派な拝殿。
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しっかりと商売繁盛をお祈りしてきました。

骨董屋商売を始めてそろそろ20年くらいになるんですが、その前には画商のまねごとのようなこともしていましたので、絵画の美術館もたまには行くことがあります。前から行ってみたかった丸亀の駅前にドドーンと不似合いに建っている、猪熊弦一郎現代美術館へ。
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抽象美術の大家で有名ですが、云っちゃ失礼ですがこんな田舎にこんな現代美術専門美術館があるなんて・・。好きなマチエールの作品が並んでいる広々とした空間はまー気持ちがいい!
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なかにはこんな弦さんが集めたであろうおもちゃが展示してあってこれも愉しい!
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たっぷり長々と書きましたが、要は穏やかな気候に恵まれた美味と歴史と美術をたっぷりと堪能させてもらいました。

また行くよ~・・おわり

旅行]2016年5月5日

春の研修旅行報告・その1

ご無沙汰しております、と書いてちゃいかんわけですが、それにしてもご無沙汰でした。前回からだいぶ日にちがあいてしまいまして、真冬から梅の盛りを過ぎて、桜も満開を迎え、それさえ今日の雨で散ってしまいそうな今日この頃で、なんとも光陰矢の如し、年齢と共に時間の経過のスピードについていけないのがまた老化のしるしでしょうか。と云ってもおのれの未熟さにも辟易しているわけでもあり、四十にして惑わず、どころか五十を過ぎて迷いっぱなしではあります。

さて先日は3月21日から縁あって岡山で仕事をさせて頂くことになり、ついでにめったに廻れないあちこち旧跡も見てこようじゃないかと連泊して行ってきました。その節は岡山のFさん、いろいろとお骨折り頂いてありがとうございました。

21日の早朝は羽田からスタート、1時間強くらいで岡山空港に到着、仲間とレンタカーを借りて岡山駅に向かいます。そこで京都からくる人をピックアップし研修スタートです。まずは岡山県立博物館
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具体的な個々の展示品は撮影できないのでこんな入り口の写真だけですが、在地の平安仏や古備前など数は多くないものの見応えあるものが展示されております。

そして次に歩いて行ける距離にある市立のオリエント博物館へ。
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普段われわれはほとんどオリエント美術を扱うことはなかったのですが、その圧巻の品揃えというとホームセンターのようですが、しかし美的視点と学術的視点のバランスが素晴らしい展示を見せられて俄然扱いたいと思う気持ちが抑えられませんでした。解説を読むともとは岡山の学校法人の理事長さんのコレクションの一括寄贈を受けてスタートしているんだとか、その際研究者のアドバイスを受けつつ蒐集されたとのことで、なるほどこのバランス感覚はそれもあるんだなと納得です。中庭というか二階に上がったところの吹き抜けスペースがとても気持ちのいいところでした。

そうするうちにお昼時、あらかじめ調べてあった地元の人気うどん店へ。押すな押すなの大盛況のなか、われわれ関東人には馴染みのない自分でうどん玉を湯がくシステム。今でこそ某チェーン店で盆を取り好きなてんぷらを選んで会計するシステムが浸透しているので、あまり面食らうことはありませんが、ざるを持ってあっためるのは未経験、新鮮な気持ちで食卓につきます。さすがうどん文化圏、歯にしがみついてくるような弾力を感じる麺といりこの出汁が見事にマッチして素晴らしい!、毎日食べても飽きないうどんでしたね。

さて午後は由緒正しき神社詣で、吉備津彦神社、吉備津神社と巡っていきます。詳細は他のウェブサイトをご覧頂くことにしてもらって、特にその吉備津神社の壮大さは実に実に立派なものでありました。山全体、そして祭祀の現場に残る磐が御神体として祀られてきたところですね。その自然の地形を利用する形で山の頂上付近に築かれた中山茶臼山古墳など、よくもまあこんな上に前方後円墳を造ったなと感心するような立派なものです。この山のあちこちに小さな古墳群も点在してます。
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小さな一人用石組みでそっと主人を護る家来の塚なんでしょう。

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吉備津彦神社
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こちらは吉備津神社、立派な古木と立派な狛犬もあり、その手前には長い長い回廊があります。

ここから5分くらいの場所には資料館もあり、そちらも覘いてきました。
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岡山県吉備文化財センターというのがそれです。さして大きくはないものの、関東人には普段目にすることが少ないタイプの全く異なった埴輪などが見られました。全部を写真で撮ってというわけにはいかんので、ひとつ円筒埴輪を載せましたが、この文様や造形はまったく関東にはない、洗練されたハイブローな意識が見てとれます。古代の瀬戸内がいかに大陸との交渉が盛んであったかというのがわかる例ですね。

老体に鞭打って廻った史跡めぐりもそろそろ一日目終了、夜は相変わらず美味いものを求めて岡山の夜を堪能した次第です。市場が休みで目当ての鰆はなかったものの、卵を内に抱えた飯蛸などでしたたか鯨飲して締めくくり、倒れるようにホテルで爆睡したのでした。

続きはまた

旅行]2016年4月7日

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