雑記

出張仕事イン北陸 倶利伽羅峠

9月になってもまだまだお暑うござんすね、と思いきゃ台風がまたやってくるんで、前回被害の出た地域の方にはお気の毒なことです。自然の為すことなので仕方ないかもしれませんが、せめて新たな被害が出ないよう避難などの措置をお願いしたいと思います。

さて話しは8月末になりますが、今回ご縁があって石川県は津幡町にて出張交換会を行ってきました。あの源平の合戦のあった古戦場の倶利伽羅峠、そこで商いをしておられるご同業の方の全面協力を頂いて、実に賑々しく愉しくお仕事が出来ました。K屋のFさん、その節は本当にありがとうございました。

遠く北陸の地のお仕事なので前日は金沢の街に宿泊、その日はかなざわ玉泉邸というとてもきれいな庭園を擁するすばらしい料亭をこれまたご同業に紹介して頂き、美味しい加賀料理を満喫してきました。Oさん、ありがとうございました。
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本当はもっと素晴らしい庭園が奥にあるんですが、食事と酒でいい気持になって出てからあわてて外側のアプローチだけ撮ったんでこんな写真しかありません。よくわからんと云われそうですが、なんとなくいい感じというのは想像して頂けると思います。いや~美味かった!鱧や赤いかなどなど、そしてなによりとどめに麦飯が出るという、独特のニュアンスのコース料理、お酒も進んでしまいました。(この辺料理の写真も撮り忘れるという体たらく!)

翌日はFさんのお店のすぐそば、曰く遊び場らしいですが、見事な古民家スペースをお借りして交換会を開催、各地から参加してくださった方々、どうもありがとうございました。
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珠洲の大壺にはドドーンと芒が投げ入れられて実に見事なスペースでした。

そしてこの交換会の後には今回のお仕事のメイン、加賀の山中に今は消えてしまった(ダム建設によって水没してしまった)我谷村で作られていた我谷盆の勉強会です。
十年かかっても見られないような量の我谷盆が目の前にこれでもかとばかりずらずらっと並ぶさまはまさに圧巻です。
集合写真はまた別の機会にお見せするとして、その中のひとつ、見込みのアップがこんな感じ。
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今回はこの我谷盆を再興してこの地で指導もしておられる京都の木工作家、森口信一氏をお招きして我谷盆の歴史や個々の品についてのテクニカルな解説など、盛りだくさんな内容でお教えを頂きました。貴重なお話の数々まことにありがとうございました。翌日は森口氏の御口添えで山中温泉にある資料館「芭蕉の館」においても貴重な盆の撮影をさせて頂きました。これは水没した我谷村にあった八幡神社のお社に掛けてあった扁額、大きな我谷盆に文字を彫り付けて奉納したもので裏面に慶應の年号が入っています。

そして今回のこのレクチャーが素乃會の勉強会報告書第三弾として形にすべく編集に取り組んでいるところです。これを発信しながらもっといろんな方に我谷盆について理解を深めて頂ければと考えていますし、ご存知なかった方にも見知って頂くいい機会と思います。特にお若い作家さんで工芸で身を立てるべく頑張っていらっしゃる方にも刺激になればいいことですね。我々の影響力など微々たるものではありますが、ひとつひとつ活動をすることが大切でしょうから亀の一歩を踏み出しているところです。完成したらばまたお目にかけたいと思っていますのでお愉しみに。

勉強会]2016年9月7日