先日、遅ればせながら「大神社展」に行ってきました。もうすでに終了してしまいましたが、いや何とも力の入った素晴らしい展覧会でしたね。有名どころはもちろん、以前に訪れた大分の奈多八幡の神像なんかも出品されていて、マニアックなところもカバーしているのがまたいいですね。これはなかなか見られないし、図録にもあんまり載ってないんじゃないかと思います。
仏教美術や垂迹美術は実際に使用することは出来ないかもしれません、しかし鑑賞と云う素晴らしい眼の愉しみ、心の滋養をもたらしてくれるもの、たとえ残欠や破片であったとしても、強烈にその時代の空気を感じさせてくれるものです。もちろん使って愉しい酒器やお茶碗などの世界も素晴らしいもの、でもそれだけではないものにも、もっと目を向けて頂きたいなと思っています。
古童のホームページにも少しづつですが、そんな仏教美術を出品していきたいなと思っておりますんで、どうぞ覗いてみてください。乞うご期待!!
[展覧会]2013年6月2日
みなさま若葉の候、如何おすごしでしょうか。世間様はゴールデンウィークに入り、なんとなく浮かれた雰囲気ですが、骨董屋にはあまり関係なく仕事が追い掛けてきます。なんとも人が休む時に働き、人が働く時にはやっぱり働く、でもちょっとサボるというのが我々であります。まー疲れたとかしんどいとか云いながら、やっぱり愉しんでいるのが本音ですが…。このところまじめに更新しておりませんですいません。また少しお付き合いください。
さて先日、駒場東大前から徒歩約6~7分でしょうか、久しぶりに日本民藝館に行ってきました。以前から何回となく足を運んでいる場所ですが、やっぱり気持ちのいいところですねぇ。そこで開催されている「朝鮮陶磁・柳 宗悦没後50年記念展」を観るためです。足をふみ入れると大谷石を敷き詰めたフロアー、正面の階段からまずは2階へ、おおきなメイン展示室に入りました。鉄砂、辰砂、瑠璃、染付などの名品が…、もっとも柳が見出した当初は下手物扱いだった かもしれませんが。名品ということばもあまり当たらないのかもしれません。彼の独特の眼で選び抜いた品はやはり素朴で穏やかなものばかり、決して中国陶磁のような峻烈な鑑賞の眼で選ばれたものとは違います。どちらが上とか、すばらしいとかではなく「人は人、吾は吾、されど仲良し」なんでしょう。
そして2階の別の室、茶碗のブースにやってきました。刷毛目、三島、粉引、井戸とそれぞれすばらしいものがあり、またいまでも手に入れられるものもありで、茶道の決まりに縛られない分、すこしサイズがはずれたものでも面白い肌の茶碗を集めていました。自分も商いの制約はあるものの、大きくて豪快な感覚の茶碗が好きなのでよく買いますが、お客さんにもうちょっと小さければねぇといわれてしまうこともしばしばです。もうちょっと自由でもいいんじゃないですかと思いますが、ま、それも人は人なのかなぁ。個人的には首里布の仕覆に入った高台の高い刷毛目茶碗が欲しいな~とおもいました。
たくさんの品物のなかには(もちろん手に届かないものが多いのですが、)自分の商っているものと同手のものがいくつかあり、これがなんとなく勝手な思い込みでしょうが偉大なる先達、柳からの「それでいいんだよ」と励まされているように感じ、元気になって民藝館を後にしました。
生活に即した骨董、高みにたって鑑賞を受けるような骨董、自分はどちらも興味があるし、どちらも目指していきたい、まだまだ志半ばですね。そしてこの高い階段を上っていこうと思ったわたくしでした。
く~かっこいい…。「酔ってんじゃないわよ」、カミさんの声であります。
[展覧会]2010年4月29日
お暑うございます。しっかり水分とミネラルをとって熱中症なんぞにならんようご注意ください。
さてわたくしは先日、上州は高崎、県立公園、群馬の森の中にあります県立歴史博物館で開催中の「武人ハニワ、群馬へ帰る!」展を観に行ってきました。広々とした気持ちいい~緑のなかに近代的な建物がありました。
今回の目玉は東京国立博物館蔵の「国宝・挂甲武人埴輪(けいこうぶじんはにわ)」。ルックスは要するに、昔の映画の「大魔神」、腕を顔の前で交差させると 柔和な表情が一変して怖~い顔になるアレです。兜と鎧をまとったこの埴輪が、出土地である群馬に戻って展示されていたわけですが、個人的にもっといいもの が観られたな~と思ったのは、大阪・高槻市の継体天皇の墓とされる、今城塚古墳の埴輪たちです。まず驚いたのはその埴輪のサイズ、とにかくデッカいんです よ、これが。家の形をかたどった埴輪があるんですが、普通に見られるサイズは、家電に例えれば大型電子レンジくらい。しかし今回展示されていたものは、なんとファミリー向け3ドア冷蔵庫くらい!大きいです!さすが天皇の墓にまつられた埴輪たちだなぁ~と感心させられました。
また変わっていて面白いと思ったのは、大阪・藤井寺市、狼塚古墳出土の導水施設形埴輪。命をはぐくむ水のまつりの為、川から水を引き汚泥を沈殿させ、清浄な水を取り出 す施設は遺跡としての出土例はそれなりにあるものなんですが、埴輪として出土する例はきわめてまれなよう。わたくし自身もこの目で見るのは初めてで、思わず細部までなめるように観てしまいました。
もちろん地元・群馬を含む関東東北の埴輪たちも多数出品。動物、人物、その他もろもろ、普段なかなか一度には見られない点数が出品されていました。
また展示の仕方でおもしろかったのは考古的な視点だけでなく美術としての造形の素晴らしさをアピールするためか、あえて隣の近代美術館のスペースに逸品埴 輪を集めて展示したことです。純粋にスカルプチャー(彫刻)として観たとしてもその造形は圧倒的です。語彙が乏しくて伝わりづらいかもしれませんが、とにかく観に行っていただきたい展覧会でした。
そしてレベルはまったく違うかもしれませんが同じ埴輪という素晴らしいものを商っている(ごくたま~にですが)自分にほんの少しだけ誇らしい気持ちになりました。
そんじゃこのへんで失礼いたします。
[展覧会]2009年8月8日