雑記

目白コレクションに出店します

桜の満開の季節ですが、今日は残念ながら花散らしの雨、肌寒く体調を壊しやすい季節ですね。かく云う私もここのところ風邪気味で一昨日辺りは鼻が詰まってずいぶんとしんどい思いをしました。かかりつけのお医者さんで鼻炎と風邪の薬をもらってやっと落ち着いてきたかなという感じです。皆さんもくれぐれもご注意を!

さて今月4月15日(土)~16日(日)に目白デサントビルB1F椿ホールにて開催される「目白コレクション2017春」に出店させて頂くことになりました。もうすっかりと定着した感のある年2回のイベントですが、弊店も初めて出店することになりました。出店者の皆さんは私もよく見知っている人たちばかりで今さらと云われるんですが、今年は例年と違ったお仕事にもチャレンジしていこうということでそうなりました。

特にテーマを設けているわけではないのですが、漆のものがいくつか手許にありますので、画像だけでは伝わりにくいそれらの質感や風情を直接触れて感じて欲しいと思っております。根来の薬器、蒔絵の硯箱、秀衡椀などをお見せしたいと思っております。すでにSNSでご紹介もしておりますが、また改めてこちらでも簡単なご紹介画像を載せておきたいと思います。
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秀衡椀 口径11.5~12.0センチ

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根来 薬器 胴径10.4センチ

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蒔絵秋草文硯箱 縦22.5センチ 横20.8センチ

更に普通は華奢な印象の御本茶碗にもこんな豪胆な作風もあるという好例じゃないでしょうか、こんなものも。
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そして高台アップ
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朝鮮 御本茶碗 口径16.0センチ

催事と云えば限られた制約のなかでどれだけきれいにモノを見せられるかに尽きますが、そんな時に壁面をきれいに飾る絵も欲しいなとこんなところも持って行きます。
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菅井 汲 リトグラフ 鬼(赤) 1985年
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池田満寿夫 エッチング 小さな女たち 1961年

可愛い動物たちもお待ちしております。

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木彫 狛犬 高さ23.4センチ

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古九谷 竹虎文 皿 口径22.2センチ

とまあこんな風にいろいろとお見せしようと思っております。もちろんここに全部載せきれるわけもなく、現場ではもっといろんなものがご覧になって頂けるかと思いますのでどうぞお時間がありましたら、いえぜひともお時間を作って頂いて覗いてみてください。

イベントの詳細はこちらからどうぞご覧ください。→http://www.mejirocollection.com/

初めての催事というのは何年やってきても緊張と不安と期待感が綯交ぜになってドキドキするものですが、とことんお客様と一緒に愉しい時間を過ごさせて頂こうと思っております。

終わった後?そりゃもちろんこれでしょ!
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展覧会]2017年4月11日

古染付というやきもの

暖かかったり寒かったりと、いきつ戻りつ季節は確実に春に向かっておりますね。拙宅の庭の梅が重い腰を上げたというか、やっとこさ咲き始めました。他のところはもう盛りを過ぎたかなというのに、まったくもって私と同じでのんびりと云えば耳触りがいいですが、なんともグズな性分のようです。

今日は古染付というやきものについて。京成線千住大橋駅から徒歩2分ほど、駅のホームからも見える宗教施設のようなとんがり屋根の石洞美術館に展覧会を観に行ってきました。

実業家、佐藤千壽氏のコレクションをベースにした美術館で経営母体の会社の一角にそれはあります。氏のコレクションは以前から本を持っていたので知ってはいましたが、足を運んだのは恥ずかしながら初めてです。喫茶コーナーを横に見ながら小さな入口へ。
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アプローチは型押しの大き目の平鉢から。ここは螺旋階段のように登っていく順路、といっても段はなくゆるゆると自然に上り坂なので足がつらいということはありません。形物香合番付などの資料にも載っている小さな宝石のような香合たちが並んでいる横から上に登っていくと、通路の両脇に展示ブースが設けられていて目が飽きずに歩いて行けます。

珍しい絵柄の皿、鉢類。愛らしい文様の筒茶碗、愉しい作品が次から次へと目に飛び込んできます。そもそも古染付とは中国のやきものでありながら日本からの注文品がメインであったもの。したがってその伝世品は中国本土にもなく、また他の国にもほとんど残っていません。それほど日本人の心情にフィットするやきものですので、この展覧会自体が、どこか神がかった至高の逸品を観るというのではなく、あくまでも座辺に寄り添ってくれるような親しみやすさを持ったものです。

親しさと云えばそのモチーフもそうでしょう。身近な動物たちが戯画化されて見事に懐石道具の食器としてデザインされていますからね。馬や牛、魚に鶏。また動物以外でも紅葉形だったり、葉っぱに貝、扇面に州浜、とにかくその意匠化された品々のデザイン力には現代の陶工たちもなかなか敵わないのではないでしょうか。

さて一番上の広めのスペースに上がってきました。ここには水注や水指などもありますが、多いのは五客組の型押し向付の類。お馴染みのものではありますが、これだけの種類が一堂に会せば圧巻の眺めです。一か所だけ根来の折敷に乗せたものも展示されて、実際の使用の様子を再現したところもありましたが、朱漆と染付の藍の色のコントラストは見事です。

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撮影は残念ながら出来ませんのでこんな画像ばかりになってしまいますが、ぜひとも足を現場に運んで頂いてその眼でご覧頂くのをお勧めします。第一から第三期まで展示替えしながら続いていますが、今はその第三期。平成29年4月2日(日)までの開催です。詳細は石洞美術館を検索されればすぐにウェブサイトがご覧頂けると思います。

ところで今回、ちょっとうれしいことがありました。それは数年前に私古童が扱った古染付の向付がなんとウィンドウの向う側に!。懐かしい再会でありました。旧家からのお蔵出しの五客組でしたが、五客とも型は同じで絵柄がすべて変わるいわゆる絵変わりのもの。全く今見てもなかなかの珍品の向付でした。久しぶりにそれを観て過去にいいものも扱えているのだから、もっといいものを扱ってみたいと更なる飛躍をひとり心で誓って美術館を後にしたのでした。

展覧会]2017年2月23日

春日の神宝を観る

今日で1月も終わり、なんというか過ぎてみればあっという間のことでした。なんてことを毎年云っているようで、これも老化の一種かなと途方にくれたり、さっさと過ぎるのは日々忙しくしているからかも、と慰めたりで孔子先生のいうところ、「四十にして惑わず」どころか五十を過ぎても迷いっぱなしの日々であります。

迷ったときにいちばんの薬、それはいいものを観ることなのでありますね。先日は東京国立博物館の平成館の特別展「春日大社 千年の至宝」展を観てまいりました。藤原氏の氏神を祀る神社として約1300年前に創建された春日大社、三笠山などの豊かな原始の森がそのまま御神体としてみなされている同社、武甕槌命が神鹿に乗って同地に降臨したとのことから、神の使いとして鹿は奈良公園などを堂々と闊歩し、観光客に餌を要求する図はすっかりと奈良の景色として知られていることですね。その春日大社に伝わる数々の神宝、それらは垂迹美術の最高峰とも云える品々です。
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こういったときにその神宝の画像を載せたいとこではありますが、それは叶わないので図録の表紙だけ。

本地垂迹という思想は仏が衆生を救済するために、より民衆に近しい神々に姿を変えて現れたものであるとする説、なんだか仏教が上から目線的な感じもしますが、これも古代の宗教闘争、崇仏派と排斥派の戦いの結果であるのでしょうか。神々にはそれぞれ決まった本地仏が存在するということになっています。そして神々の姿はもともと目に見えないものであったり、自然の山や滝や巌自体であったものがいつしか礼拝対象として本地仏を社の目につくところへ掲げるようになっていきます。それらが私たちもよく扱っている掛仏と呼ばれるものです。

会場には木彫や銅造の神や仏、また軸に仕立てられた、神域を描いた宮曼陀羅などなかなかに手に入れることが難しい涎が落ちるようなものばかりずらーーと並んでおりました。なにしろそれらは撮影ができないので詳細は観てのお愉しみなのであります。

唯一記念写真的に撮って良いコーナーが設けてあり、そこは皆写メっております。他にも社の部分を再現した造作があったりとなかなか特別展らしく凝ったものでありました。
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鉄製のつりさげて使う灯火器、いわゆる春日灯籠は時々は我々でも扱うことが出来るのですが、実際にそれらが使われていた雰囲気がパネルの写真や灯りがともった状態で見られるようにしてありました。

やはりいいものを観ると心が洗われると云いますか、すっきりとした心地になるわけですね。(ほんのちょっと普段扱えないくやしさなんかもありますが、ここまでいいものだと完敗というところでしょうか)でも少しでもいいものを観て勉強し、目を磨いておけばいつしか何かチャンスがあったときに頑張れることもあるでしょうからそれを怠らないようにしないといけませんね。

最後にお勉強の本を買って帰りました。
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展覧会]2017年1月31日

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